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花と食のレター オランダより

オランダから綴る花と食のレター。世界一の花大国オランダから届け、あなたへ。

マスターフローリスト試験

オランダではこの時期が学年末そして卒業シーズン。
Stoasでは卒業と共に、フローリストとしての最高タイトルであるマスターを取るべく、マスター試験に挑戦する学生もいます。

ということで、10日間ほどで3回のマスター試験を見学に各地に行ってきました。

master01


master02


master03


マスター試験では、自分が選んだテーマに基づき、個人教授を受けながら数ヶ月間準備を重ねます。

試験当日は研究内容の発表を行い(プレゼンテーション)、4人の審査員によって審査されます(本人への質疑応答含む)。

プレゼンを見に訪れた人は、審査の間テーマ研究の作品を見ることができるのですが、テーマを具現化するため実験的なことを行っている過程の様子など「思考のステップ」も展示されているので、それらを見るのが興味深くもあります。

例えば、あるテーマ「フローラグラフィ」。
これはフォトグラフィとフローラルデザインを組み合わせた造語です。
研究過程でフォトスタジオで研修を重ねつつ、特別なテクニックで花材にプリントし、ひとつのプロダクトを作ったり(例:ネクタイ)、
また生花とプリントした植物を組み合わせて大きなパネルを作ったり(タペストリ)していました。

このマスター試験合格の大きなポイントとして、研究の結果がオランダ花卉業界に何らかの形で貢献すること、というのがあります。

また別の学生による「フローラルビデオクリップ」。
学生がこのテーマを選んだ目的は若年層の花購買力を増やすことにありました。プレゼンテーションはマーストリヒトという最南端の街のシネマを借り切って行われました。
様々な場所に花を使ったビデオクリップを流してみよう、とのアイデアを基にビデオクリップ(学生が作成)の上映を含んだプレゼンでした。

また「ダッチフローラルデザインにおける日本の文様」というテーマも。
日本にスタージュで3ヶ月滞在した学生が日本で見た多くの文様について調べあげ、その文様を生かしたデザインの作品を数多く展示していました。
文様についてかなり深く掘り下げた内容が高く評価されました。

結果的に3名とも無事合格。
ダッチマスターフローリストのバッチを胸に誇らしげにそしてちょびっと涙を浮かべつつ家族や友人と喜びを分かち合っていました。

1958年から始まったこのマスター試験(規定は3,4回変わっている)に合格したダッチマスターフローリストは現在およそ750名ほどになるそうです。

いつもテーマの掘り下げ方、詳細な研究、そしてそれをアレンジメントに具現化する様子に感心しています。
次の試験を見に行くのが楽しみです。

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テーマ:オランダなヒビ - ジャンル:海外情報

  1. 2006/07/17(月) 06:20:30|
  2. 花・ディプロマ マスター
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:2

おもてなしの掟

orange table


友達カップルが来る。
家に人を招く場合に気をつけること。

とにかく飾り過ぎないように間違っても大袈裟にならないように、気をつける。

テーブルコーディネートをされてるのなら、さぞかし美しくしつらえてもてなすのでしょう、と言われるけれど

そんなことはありません。


特にここオランダはとてもカジュアルな国。
オランダは人いつでもどこでも、フランクで飾らないのが大好きなのです。

で、いつもと同じ状態でお招きをするのが常、となります。

一生懸命やりすぎると引かれるのがオチ、でもこれは日本でも同じかもしれませんね。

ただし食いしん坊なので、食べものはたくさん準備します。
これはアジア人の気質が抜けません。
とにかく食べよ、攻撃です。

そしてたくさん食べてくれる人が好きです。

声の大きい人、たくさん食べる人に悪い人はいない
――これ、勝手に思い込んでいる持論です。

テーマ:オランダなヒビ - ジャンル:海外情報

  1. 2006/07/12(水) 05:25:11|
  2. 食・テーブルコーディネート
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夏日

asparagas


ホワイトアスパラガスの解禁日が過ぎて1週間。
一気に夏が来たような暑い日ざしにヘロヘロの週末です。

日本ではホワイトアスパラガスというと缶詰でしかお目にかかったことはありませんでしたが、こちらは春を感じる野菜として大人気。
この短い旬のシーズンには料理雑誌もホワイトアスパラガス特集、農道にはざるにてんこ盛りのものが売られ、スーパーマーケットも然り。(ギリシャ産のもの多し)
家庭でも多くの人が嬉々として春の味を楽しみます。

オランダでは4月上旬ごろ(天候による)から6月24日までがホワイトアスパラガスを収穫し売っても良い時期と決まっています。
それを過ぎると来年のホワイトアスパラガスを美味しく収穫するためにも、土の中の茎に栄養をたっぷり蓄えるために、採ってはいけないことに。

ホワイトアスパラガスは土を高く盛って育てます。
収穫も陽にたくさん当たらない早朝のうちから行うので色が白いまま。
収穫するにはコツがいります。
盛り土をジーーーっと観察して、かすかに土がひび割れているところにエイヤッと指を突っ込むとアスパラガスに触れる、はず。
(勿論勘違いのことも多々ある、私の場合。)
そこで専用のナイフを盛り土の下部の方にズブっと差し込んで綺麗にカット。

年老いた義父はもう目も相当悪いだろうにお見事!という早業でアッという間の収穫作業。
毎朝、採れ立て新鮮アスパラを手に笑顔で帰宅する義父。

実家に行くたび、そんな義父がくれる新鮮アスパラは甘みと苦味が混じった上にかすかに土の香りがします。

で、この春もさんざん食べまくりました。

soup


解禁日最後の日はスープにしました。
これ、温かくても冷めても美味しいスープです。

テーマ:オランダなヒビ - ジャンル:海外情報

  1. 2006/07/03(月) 03:28:17|
  2. 食・オランダ ソウルフード
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プロフィール

Sunny

Author:Sunny
花と食とお酒を愛する
オランダ在住の大阪人。
フラワー&テーブルコーディネートのCijaシージャ主宰。 2児の母。


Cija HP: Cija


オランダの花デザインに特化したブログも書いています。よろしければこちら オランダ・花のディプロマ☆EFDA もどうぞ♪

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