
念願の Gerrit Th. Rietveld ヘリット・トマス・リートフェルト設計による
リートフェルト・シュレーダー邸 (
Rietveld Schroderhuis ) にとうとう行ってきました。
ユトレヒトにあるその住まいは、未亡人のMrs.シュレーダーのために1924年リトフェルトが設計した家で
その当時
オランダで盛り上がっていたデ・ステイル運動の
直線、水平と垂直、そして平面の非常にシンプルな組み合わせ、
黒、白、灰色と原色のみの色彩による表現をまさに
建築物として体現したような家です。
そう、まるでモンドリアンの抽象画そのもの。
絵画におけるモンドリアンの極限まで単純化・幾何学化された表現方法、
そのプロセスにおけるものすごい試行錯誤や思索は簡単に想像できますが
その
建築版とでも言うべきリートフェルトは家具職人として出発し、
こちら ↓ の 「赤と青の椅子」 は皆様もよくご存知のとっても有名な椅子ですよね。

このリートフェルト邸訪問には予約が必要です。
秋休みのよく晴れた一日、家族で行ってきました☆
家自体はそれほど大きな訳ではありませんが、
なんといっても凄いのがこの家が1920年代に建てられた、ということ。
その当時では超~スーパーモダンの家という概念をぶち破る箱だったのではないでしょうか。
例えば2階リビングはワンルームのリビングなのですが
シュレーダー未亡人とその3人の子供たち、そしてリートフェルトが共に住んでいたため
夜になるとあちこちに仕掛けてあるセパレーションにより
それぞれの個室へと早変わり。
またそれぞれの持ち場を表すかのように、床に赤や青、黒などの色が塗り分けられていたり
(そこに置いてある 「赤と青の椅子」 がこれまたピッタリ ^^)
四方から光が差し込むガラス張りのオープンな空間なのですが、
柱が少しずれて設置されてるため、ガラスの角のところまでが完全にガラスだったり
(言ってることが分かって頂けるでしょうか・・・不安)
階段を上がりきったらそのままリビングなのですが
夜になると階段周りに壁が現れて暖がもれないようになってもいます。
とにかくこの時代に建てられたとは思えないほどのモダンさ。
だって時代は1920年。階下にはちゃんとメイドさん用のお部屋があるのです。
そして昔版インターホンといいますか、
外と中で通信できるようなものも玄関脇についています。
この合理的で機能的、実験的な住まい・・・ものすごく面白いです。

でもやっぱり一番凄いのはシュレーダー未亡人ですね。
この家はこのシュレーダー未亡人の依頼によりリートフェルトが設計しましたが
設計はシュレーダー未亡人の要望に従って行われました。
シュレーダー未亡人はこれより以前にリートフェルトの仕事ぶりを拝見したらしく
この人なら、と任せたとのこと。
今からかれこれ90年も前に、古典的な考えとは完全に一線を画し
このような住まい方の家を要望した女性
理知的で冒険心旺盛なのは勿論、機能的で前衛的、美しくシンプルなものを好んだシュレーダー未亡人、
いやあ~、一言 格好いい!!です。
実際、シュレーダー未亡人とリートフェルトは男女間の愛情を超え
お互いに刺激しあい、認め合い、高めあったパートナーとして共に生活していたとか。
よくわかります。だってこの女性、格好いいもんね。
家というのは、雨露をしのげれば・・・といったものから
その人の住まい方や考え方を怖いほど表すものでもあるんだな、と
つくづく感心した日でした。
そしてこのリートフェルト・シュレーダー邸を訪れた後は、
子供たちのために
ディック・ブルーナ・ハウスを訪れました。
たくさんのナインチェ (日本ではミッフィー) に囲まれ、ご機嫌の子供たち。
この様子はまた次回に少しアップしま~す。
それでは皆様どうぞ良い週末をお過ごしくださいね~!
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テーマ:オランダなヒビ - ジャンル:海外情報
- 2011/11/04(金) 22:20:08|
- オランダ・アートデザイン・美術館
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