
1月12日、私も3年前に短期間お世話になった国立園芸教育単科大学STOASにて、2年生の学生達によるプロジェクト”スローフラワー”の展示会が行われました。イタリアで1986年に始まったスローフード運動はゆっくりと全世界で広がりを見せていますが、そのコンセプトを花業界で発展させたらどうなるか、という新しい目論見のプロジェクト。生徒達は18週間コンセプト展開から準備を重ねており、夜18時に多くのデザイナー、雑誌社、先生、経営者・栽培業者等を招いて100名以上(中にはドイツからも!)が集まった熱い夜となりました。
フードデザイン科の生徒達もこの展示会の企画に呼応して、地元の旬のものを使ったスローフードコースで会場を盛り上げます。「花に食」のまさにウキウキする環境に私は軽い興奮状態。
会場となった構内のアトリウムは、3つのグループに別れて展示がされてますが、それぞれ研究課題を持っています。
例えば野菜や果物やサボテンを新しい花留めとして提案、厳しい均一化標準化で栽培された切花の質を根本から問いただし、バイオロジカル栽培された切花と比較。
また、自然環境を考慮し粘土や剣山、吸水性スポンジ、ひばの束、チキンワイヤー等を使ったアレンジで花に優しい手法を調査、といった具合。
そんな様子を見てまわっていると美味しい料理がやってきました。シンプルだけれどとーーっても美味しい芋とグリーンピースにガーリックを効かせたクリーミーなスープで始まり、この土地独特の野菜“パスティナーク”をマッシュした上にビーフのメインディッシュ、(あまりの美味にレシピを送ってもらうよう頼んでた)そして木苺とヨーグルトのデザート、後は自由にワインやコーヒー、ティーにクッキー。
ビュッフェ形式でカジュアルに歩き回りながら結果リポートやフローラルデザインなどの花と食を楽しみます。また食べてはいけないけれど、スローフードのもとテーマに別れていくつもの料理が展示もされていました。

スローフードが地場のものを使って旬を楽しもう、とするのに対して花も同じように地場栽培のもののみを使って、となると冬が厳しいオランダで冬に売る花がなくなってしまい、花業界は商売あがったりに。
そこで冬らしい色をメインにした店作りの提案を行い、実際にナインメーゲンにある花屋を“スローフラワー”のコンセプトでプロデュースした様子、またスローフラワーに基づいた小冊子の発行・・と興味深い展示も。
自由に見てまわった後には学生達によるフラワーアレンジのデモンストレーション、そしてディスカッションへと続きました。これがかなり熱い討論会だったのですが、残念なのはオランダ語がほとんど分からなかったこと・・・(悔)
学生達に比べて長年この業界にいるスペシャリスト達からはシビアな質問や指摘も相次ぐ反面、コンセプトの良さとこれからの展望に大きな期待を寄せながら、のお開きとなりました。
いつもながら学生達の明るく堂々とした振る舞い、大人たちのカジュアルでオープン、フランクな雰囲気に感心している私でした。そしてなんといっても食べ物とのコラボレート・・・初めて食べたあの野菜・・・うううむ、
スローライフの心地よさは言うまでもなくいろんな意味で収穫の多い夜でした。
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テーマ:オランダなヒビ - ジャンル:海外情報
- 2006/01/23(月) 17:27:55|
- 花・見本市&エキシビション
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初めて赤いバラを購入しました。が、来たのはブルーローズ。あわてて電話をしたところ、ブルーローズはそのままお飾りください。とのことで、翌日見事な赤いバラが届きました。対応のよさと迅速さに感激しました。バラの花も50本見事に咲ききりました。実用品・普段使い&n
- 2007/07/22(日) 06:05:55 |
- フラワーをあげる