冬のオランダらしからぬ青空の広がる気持ちの良い日曜日。
テキスタイルミュージアムに行ってきました。
このテキスタイルミュージアムのあるTilburgは、かつて繊維産業で賑わった街でした。今も古い工場が幾つも残っていますが、このテキスタイルミュージアムの建物も昔、繊維工場として使われていたものです。
まず最初に展示物をじっくりと見て回りました。ここは撮影禁止でしたので写真はありませんが、興味深い作品が幾つもありました。例えば“fold to fit”と名づけられたテーブルクロス。テーブルのサイズに応じてテーブルクロスが形よく垂れ下がるように、さまざまなテーブルサイズに応じて折線状に穴が開いています。(分かりますかね?)
んんん、これ説明するの、すごく難しいです。
サヴィエット(ナプキン)にも折りたい線に最初から穴というかドットというかレーザーで切り抜かれてるので、たたみやすい、というわけ。
デザインに明るい人なら誰でも知ってるオランダのドローグデザインのMarcel WandersによるLaceTableもありました。彼は97年に発表したKnotted Chairで有名ですが、勿論その椅子もそしてKnotted Tableもありました。
熱があたると縮むTシャツや、グラスファイバーで出来たシャンデリア、電気が消えると光るクッション、果ては化学繊維で出来た煙突。どれもこれもアイデアを実用化している様がすごく面白かったです。
中でも私が一番好きだったのが、取っ手が繊維で出来た白い磁器のティーポット!ドローグデザインとRosenthalのコラボレーションです。
さすがRosenthal!老舗の磁器ブランドにも関わらず古いものにしがみつかず、常に新しいものを発表している私の大好きなメーカーです。
そういう遊び心って素敵、と思わずガッツポーズ。(なんでやねん)
また展示物の数が限られていたのも、見て回りやすくちょうど良いボリュームでした。というのも、併設している工場を覗くのも大きな目的だったからです。
その工場には20台を超えるマシンがあり、現在もさまざまなアーティストと契約してプロダクトを生産していますが、それは一般的な繊維産業というよりはあくまでもミュージアムとしてのプロダクト生産。かつてはここで盛んに作られたオランダの繊維は今は中国やインドで作られているのです。
縦糸と横糸が織り成って出来る一枚の布。足踏み式のシンプルな機械(この仕組みは私にもよく分かりました!勿論足踏みしまくりました~)から、パターンを全てマシンが行うために2500本あまりの針が埋め込まれた機械まで、工場内にはさまざまな機械と共に素晴らしい解説員の方々がいらっしゃいます。ユニフォームを着たこれらの人の中には、この工場(美術館)で働いている人もいれば、退職してペンションライフを楽しむ傍らボランティアで勤めてる人もおり、私達のように訪れる人にそれこそ手取り足取り解説してくれるのです。
娘はその笑顔で(?)マフラーをゲットしました。よかったね~。
色鮮やかな糸が縒り合わされ、気の遠くなるような作業を続けてできあがる布たち。工場の2階には布を洗う大きな機械があります。蒸気をたてるような音を聞いていると、ビョークの「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を思い出しとても不思議な感覚に襲われました。
そこからまた別棟に入ると昔ながらの機械が保存されつつ、羊の毛から1枚の布が完成するまでの過程を追うことが出来ます。
羊から、蚕の繭から、植物から、木から、ペットボトルから・・・
さまざまな繊維を作り上げ布を織り身にまとっている私達。
改めてその素材の豊富さ、作り上げる過程に目をみはりました。
そしてファイナルのお楽しみは・・・ダマスクについて。
別棟では、ダマスク(模様を織り出した絹、面、麻または毛の紋織物のこと)を織る過程を見せてくれるのです。ダマスク織りは中国を起源としダマスカス(シリア南西部の都市)を通ってヨーロッパに伝わったとされているもので、麻のダマスク織りは最もフォーマルなディナーに使われるものです。
それを最後に見て堪能しようと、外に出てひんやりした空気を感じながら別棟のドアを引いたら・・・・
動かんやん!!
ぎゃおーーーーー閉まってるやん!
またかいなーーーーいっつもこんなんやーー、とガックリ。
土・日はその棟は開いてないんだそうな。はよ言ってくれーー。ってただ単に下調べが甘いだけなんですが・・・。
ということで、夫とアップルパイをムシャムシャ食べてコーヒーがぶがぶ飲んで帰りましたーーーー
いやあ、しかし素晴らしい社会見学の一日でした。
それにダマスクにかこつけてまた行けるのも嬉しいことです。
そのときにはダマスク報告、いたします。
それではまた―。
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テーマ:オランダなヒビ - ジャンル:海外情報
2007/01/15(月) 07:03:53 |
オランダな日々
| トラックバック:5
| コメント:5
Soona様:こんにちは~。コメントありがとうございます!このテキスタイルミュージアム、なかなか良いですよ。糸好きのSoonaさんにはまさにピッタリ!是非いらしてください。
ニットカフェ、私の住んでるデンボスという街の隣の隣の小さな村にあるらしい・・・。先日新聞で見ました。でもウチの夫も引いてたから・・・割と新しいか、めっちゃマニアックかもしれません。
またSoonaさんとこ遊びに行きますね~
2007/01/18(木) 08:53:13 |
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Sunny #-
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Sunnyさん、こんにちは。先日はコメントありがとうございました。このテキスタイルミュージアム、ものっすごっく感心があります。今年絶対訪れようと思います!糸もオランダらしいポップで元気な色ですね。
下のフェルトも素敵。冬はほんと、ぬくいものをつくりたくなりますよね。
ところで、オランダにニットカフェってあるのですか?前にオランダ母に「ニットカフェで編んでる」と言ったら「オランダでは聞いたことがない」と言っていたので。。。場所によるのでしょうか。
2007/01/17(水) 23:43:30 |
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Soona #HwHZTioo
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M.K様:いやあ、楽しかったです。私は芸術のことよく分かりませんが、感性を刺激してくれるものが大好きです。でも世の中にはそんなものがたくさんありますよね。M.Kさんにとっては・・・でしょうか。ムフフ
2007/01/15(月) 10:42:07 |
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Sunny #-
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いや~~。相変わらず、なんだかいい生活ですね。
潤うってーの?心が。
だんなさんと同じ芸術に造詣していてよかったですね。というか、そういうご縁ですもんね
2007/01/15(月) 10:05:52 |
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M.K #-
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同柄のラウンドバッグを持っているので、一緒に(ハンカチとして)使いたいと思って買いました。ナプキンなので端の始末の幅が太いのは仕方ないですが、裏返さなければ判らない&可愛いので良し♪ギンガム系が大好きなので、fogリネンのこの柄をずっと狙っていました。今回
2007/09/15(土) 16:06:15 |
ナプキンをあげる
サイズ: 50x50cm麻(亜麻)100%ベルギー製・<プレスリリース>小岩井乳業、乳飲料「オルゾーラテ」を発売・機内食・はてなRSS-塩素 フィードが更新されました・HH ディッシュクロス・ 廃油からできた粉石鹸ピリカレ・ おけいこバッグ・アースデイ東京2007@代々木公園・
2007/08/13(月) 02:44:15 |
ナプキンをたくさん集めました
こちらのナプキンは、キッチンではなく、ハンカチとして使う予定です。夏真っ盛り、汗だくでも、あっという間にふき取れて、外出するのが楽しくなりそうです。・復活祭と誕生日・ナプキン・キッチンリネン。・お買い物・ 廃油からできた粉石鹸ピリカレ・優れた吸水性のうえ
2007/08/11(土) 20:25:34 |
ナプキンをたくさん集めました
サイズ: 50x50cm麻(亜麻)100%ベルギー製・<プレスリリース>小岩井乳業、乳飲料「オルゾーラテ」を発売・アンティークロゴがどこか懐かしい暖かみのある琺瑯ですアンティーク ...・機内食・はてなRSS-塩素 フィードが更新されました・今日のところは、・ナプキン・キ
2007/08/11(土) 18:39:48 |
ナプキンをたくさん集めました
セルロース再生繊維 ビスコースレーヨン(レーヨン) 銅アンモニアレーヨン(キュプラ) ポリアミド繊維 ナイロン(ナイロン-66, ナイロン-6) ポリエステル繊維 ポリエチレンテレフタレート(PET)・<b>化学繊維</b>の肌着・静電気対策・天然繊維と<b>
2007/03/06(火) 18:49:31 |
化学の考察