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花と食のレター オランダより

オランダから綴る花と食のレター。世界一の花大国オランダから届け、あなたへ。

週末のエキシビション巡り

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先週は雨が続いたオランダ。ずっと信じられないほどの晴天が続いていたので恵みの雨といったところでしょうか。
気温も随分下がり、一気に寒の戻り?土曜日は雨でした。

その日は、この街 ’s-Hertogenbosch (通称デンボス) にある COR UNUM というセラミックアート会社にて STOAS のフローラルデザインとのコラボレーションがあり、それを見に行ってきました。
とてもキュートで思わずクスッと笑っちゃうオランダっぽいデザインのセラミックが多いこのカンパニー、私はかなり好きです。

わりと個性的な花器が多いのですが、花の作品は良いものもあれば良いのかどうなのか?なものも。
規模が小さくて見やすく、器だ~い好きな私は目が踊ってました・・・奥の作業場に行くと、百種類以上の型があり製作過程を説明してもらえます。
絵付けが出来るテーブルもあり、娘、初体験!
マグカップの絵付けをなんとも頼りない筆使いであまり集中もせずにしていました・・それでも一応、出来上がりが楽しみです。

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そして翌日曜日、朝から晴天。
デンボスより少し離れた Woudrichem という小さな街でMBOレベル・Prinsectuin College フローラルデザイン専攻の生徒たちが、試験用に作った作品を街を舞台に展示しており、そこを訪れました。
この小さな小さな Woudrichem 、とっても素敵な街で、雰囲気は Huisden に似ていました。

ちなみに私たちがかれこれ4年前、デンボスで結婚式を挙げた日には、デンボスとはちょっと違った雰囲気の街にも集ってくれた家族・友人を案内したい、とその Huisden で馬車ツアーやワインテイスティング、子供たちにはキャンドル作りのワークショップなどに参加してもらい、最後はその街のレストランの地下バーでカジュアルなパーティーを開きました。

デンボスは中世の街並みが残る要塞の街です。つまり外部からの敵が攻めて入ってこれないように街を囲むように壁をはりめぐらせて守られていた街。
Huisden も そして昨日訪れた Woudrichem も同じ機能を持っていた街 (というより村という規模ですが) で市壁の外は水に囲まれています。
土手があり、風車があり、ボートがあり、昔の風情を残すフィッシュマーケットがあり・・・ちょっと洒落た店や古い石畳、どこを切り取ってもとても絵になる美しい街。

オランダ南部ではありますが、プロテスタントの街だそうです。(Huisden も然り。)
というのも、「とてもHuisden と雰囲気が似てるけれど、やっぱりここもプロテスタントなの?」 と夫に聞くと、入ったカフェの隣の人たちが 「休息の日の日曜日にエキシビションをするなんて、ねえ・・」 との会話が耳に入ったらしく、「だからきっと間違いなく、プロテスタントじゃないかな、」と。

ふむ。。。
やはりプロテスタントの人の方が戒律には厳しいのね。

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しかし、訪れたものとして言わせていただくと、このピクチャレスクな街のあちこちに点在するフラワーデザインを見るために歩く・・・というのはなんとも素敵な演出方法。
もちろん、市役所の許可を得て行っている展示会です。
街 (村) がコンパクトなため歩きやすく、しかも街の表情に変化があるので散策するだけでも楽しめます。

このエキシビションを行った Prinsectuin College はBREDAという街にあるMBO。
MBOとはオランダの教育制度における中等教育にあたり、通常14歳から入学し実務中等教育を4年間にわたって修めるもの。
その後にたとえば高等教育であり、HBO(=UPE)の実務専門大学校(日本の大学に相当)にあたるSTOAS (4年間)などに入学してくる生徒もいるということ。
この学校の生徒の数名がフローラルデザイン分野の教育学を学びたい、という場合にはSTOASに入学を希望するのでしょうが、さて将来のSTOASの卵はいてたのでしょうか・・・?

ちなみに高等教育としてはWOと呼ばれる大学教育もあり、それは修士課程や博士課程が中心となり4年~6年、勉学に励むそうです。

とかくオランダの義務教育は、どの学校も独自の教育法で運営しており、全国統一の教科書などありません。教科書さえ持たずに学習することもよくあります。
そして本人の進捗度にあわせて飛び級もあり、遅れることもあります。少なくとも型にはまった教育からは程遠いため、どのような教育を受けていても自分個人に対して自信 (というか安心感?) があるような気がします。

と、すっかり話がそれてしまいましたが・・・

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見て回った感想としては・・・なかなか面白かったですが、すべての作品の条件や意図が分からなかったのが残念でした。
レベルとしてはどうなのでしょう・・・

あるアトリエ内でそのアトリエに飾ってある絵に合わせたテーブルフラワーの作品を作る、というのがあったのですが、その絵の色彩は赤やオレンジ、黄色といった強い暖色系、エネルギー満タンなのですが絵の内容は裸の男女がからむ大人向け(?)の絵。
ところが・・・色から入ったのでしょうが、テーブル上にはマクドナルドをテーマにした子供向けパーティーの賑やかなアレンジメントや、
カラフルでポップなアレンジでこれまた子供同士のパーティーを意図したテーブル・・・・
「これ、子供にはあかんやろ。」というと、えらく夫がウケテました。
夫、気づかなかったようで・・・びっくりですわ。

またこの記事冒頭の写真は、堤防の上の一角でジプシー的な空間を作ったところにあったものですが、この男子学生が作ったオブジェは、ぼろきれやさまざまなもので巻かれた赤ん坊の人形や馬の人形をさかさまに木から吊るしたもの。
中にはネズミの死骸 (近づくまで人形だと思っていた)を逆さまにしたものもあり、思わず 「ウヘッ」。

あなたの制作意図はなんですか?と聞くと、
「蝶が生まれる前のサナギからインスピレーションを受け、生物が生まれる前のエネルギーの強さを表現したかった。」と。
・・・・なるほど・・としか返す言葉がなかったわたくしでした・・・
確かにフローラルデザインのシェイプとして、サナギ型というか繭(まゆ)型、というのは多くあります。
でもネズミを逆さまにしなくても・・・・目のところには人形の目が入れてありました。
怖くて写真、撮れなかった凡人な私です。


それ以外にもウェディング姿で街を歩き続ける学生や、教会の中の棺へのアレンジ、テーブルフラワー、窓に飾るオフジェ、庭へのスタンディングオブジェ、お墓のアレンジ、フローラルジュエリー・・・と数多くあり、かなり寒かったけれど充実した日曜日の午後でした。


最後に花の日傘を挿した可愛い学生たちの笑顔をどうぞ~!

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すっかり長くなっていましたが、お読みくださった方、ありがとうございました。
それではまた!




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テーマ:オランダなヒビ - ジャンル:海外情報

  1. 2008/05/19(月) 11:28:39|
  2. 花・見本市&エキシビション
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

きらり様

コメントありがとうございます。
そうです、型にはまらない教育です。子供にとってストレスのないシステムだと思いますが、途中で進路変更などを望むときには少しややこしいようです。(早くから進路を決定するため)
イタリアはどうなのでしょうか?私も娘のためにももっともっと教育のこと深く理解しなければいけません。国による違い、面白いですね。
  1. 2008/05/22(木) 22:46:07 |
  2. URL |
  3. Sunny #-
  4. [ 編集]

M.K様

コメントありがとう!
教育の話一つとっても、トコロ変われば・・・て感じでしょ、本当に。歴史はもうそりゃお隣がドイツですから色々とありますし、それ以外にも。
最近は中国を舞台にした歴史小説にはまってます。
オランダ語で本でも読めるようになれば、歴史ももーーっと楽しくなると思うのですが・・・・><
  1. 2008/05/22(木) 22:43:03 |
  2. URL |
  3. Sunny #-
  4. [ 編集]

こんばんは♪

またまた素敵な写真の数々、いつも癒されます*
オランダ、さすがお花王国ですね♪
素敵な花器もたくさん、みるだけで楽しそうです。
小さなレストラン、とっても素敵。
こういうところでランチ、心がやすまるでしょうね~。
オランダの教育、はじめて知りました。
個人個人の才能をのばせるようになっているのですね。型にはまらない教育もまた魅力的です。
オランダという国、ますます興味がわいてきました☆
  1. 2008/05/21(水) 22:41:14 |
  2. URL |
  3. きらり #CI4oQ.JA
  4. [ 編集]

オランダやな~

ほんと、Sunnyってオランダにいるんやな~。
だけど、オランダの学校の教科書事情には驚いたね。。。日本は毎年もめているっていうのにね。
オランダの歴史観はどうなんでしょうね。
日本は島国でありながら近隣諸国との問題は因縁深く・・・
オランダはどうなんでしょ。陸続きな分、さらに複雑かなあ。。。
歴史好きのSunnyさま、今度、オランダの歴史に触れて何か書いて~ねん♪
  1. 2008/05/20(火) 05:28:17 |
  2. URL |
  3. M.K #-
  4. [ 編集]

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Author:Sunny
花と食とお酒を愛する
オランダ在住の大阪人。
フラワー&テーブルコーディネートのCijaシージャ主宰。 2児の母。


Cija HP: Cija


オランダの花デザインに特化したブログも書いています。よろしければこちら オランダ・花のディプロマ☆EFDA もどうぞ♪

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