
クリスマスを前に久しぶりに日本からオランダに戻った私だったが、あまりの寒さと暗さに気分も思わず澱みがち。。
とは言えクリスマスを大いに楽しんだ後は、友人に招かれスペインでの年越し。これに浮かれない人がいようか。
体力を思い切り溜め込んで臨んだスペインだったが、敵もなかなかのもの。丈夫が唯一自慢の私も睡眠不足とスペイン独特のライフスタイルに遂にダウン。
久しぶりの友人達との貴重な時間に身も心も楽しんだ私は、もう既にオランダには帰る気が失せていた。。
陽気な人々、言語、音楽、ダンス、食べ物、清潔な家、青い空。。
しかし、やはりわたくしテーブルコーディネーターの使命として食べ物は外せません。以前、やはりこの時期をスペインで過ごし、食べ過ぎた挙句、口元に大きな「熱の花」を出した経験がある私。一番のドレスアップをする大晦日に真新しいドレスで美しく着飾った私の口元には、大きくて醜い「熱の花」。
二度と見たくない写真の一つである。。。
そんな経験の手前、細心の注意を払いながらも、食べた食べた。
チョリソ、ロモ、ハモン、カラマリ・・・ムムム、しかしオランダでは食べられない蛸やイカ、新鮮な魚に無我夢中。
そしてタパス!60種類ものタパスを出すカジュアルなバルでは、少しでも真似できないかと目を凝らし、味を確かめ、じっくりと味わい尽くす。家庭でも女性の友人を招いたときなど、適度に力が抜けたおもてなしとして最適であろう。
しかし、見た目とは違い実際作るのは手がかかりそうではあるが。。
大変美味だったのは、牛ロース鉄板焼きのロックフォールがけ。そしてタラのソテーのアリオリソース添え。どちらもほかほかで食べると舌がとろけそうであった。後ろ髪を引っ張られながらもオランダに戻った私であった。。
さて、花がないこの冬の毎日、木々も常緑樹のみが元気で後は枯れはてている。一斉に茶色く変色した低木もそれはそれで美しい。その冬の終わりを一足早く告げるかのように、ドイツはエッセンにて花卉産業展示会が1月下旬例年通り開かれた。通称IPMである。
今年の規模は昨年にも増して大きく、お目当ての会場を探すのに一苦労である。このドイツの会場でドイツ語、オランダ語はもとよりスペイン語、英語、フランス語、中国語、日本語、韓国語、果てはポーランド語、と様々な言語が聞こえてくる。栽培業者や苗業者も含んだフェアのためだろう、「あ!紅茶屋まで来ている!」と思ったら土の業者さんのブースだった。。。美し過ぎませんか。

フローラルデザイナーのデモを見る。スウェーデン、ドイツ、スペインのコンテストを勝ち抜いたフローラルデザイナー達が次々と自分の作品を披露する。
見た目の美しさも大切だが何といっても大切なのはテクニック、それこそがプロたるゆえんである。そして、起こってはいけないことが起こるのもまたこういう時なのかもしれない。高くアレンジした花が重力に耐え切れず倒れてしまったのだ。これは明らかな計算ミス、土台作りのテクがないと見られ、プロとしては一番起こしたくない失敗だろう。
残念なことに倒れてしまったアレンジを見ながら、スペインはバルセロナで足が棒になるまで堪能したガウディの建築構造物のことを考えていた。彼はあの有名なザグラダ・ファミリア、どこまでも高くつき登る尖塔の構造を、全く自由な発想で作り出した人である。つまり、紐に重りをつけたものを吊るすと垂れ下がった曲線ができる。そしてそれを逆さまに再現することによって、そのアーチの形態を求めたのである。力学的な構造を求めるその発想。独創的且つ圧倒的なデザインも勿論だが、”デザインと構造は相反しない”という考えを持っていた建築家ガウディの非凡ぶりにめまいすら覚えた。
規模は全ーーーく違うが、西洋のフローラルデザインでも堅牢な土台あっての美しさ、とつくづく思った一瞬であった。
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テーマ:オランダなヒビ - ジャンル:海外情報
- 2005/02/01(火) 05:57:41|
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